33話)




 夫に抱かれない“河田茉莉”もいるので、例外もあるのだろうが・・歩は痛がる真理を、何もいわず、それどころか当たり前のように抱いた。
 なおかつ『初めてで痛かった・・・。』だ。
 おまけに、『痛いだけじゃあ、男女の関係は続かないよ。』
「・・・・。」
 どうゆう事?と謎に思うよりも、確実。
(バレている!)
 だった。
 分かって歩は、真理の家に乗り込んできて、あんな事したのだ。
 でもなぜ?
「そんな面倒な事をしてくるの?」
 分からない。
「・・・聞かなきゃ。こんな事してくる歩さんは、おかしすぎる!」
 真っ青な顔でつぶやいて、真理はノロノロではあるが、“河田茉莉”の服に着替えて、帰宅への用意をするのだった。
 窓から洩れくる夕日は、そろそろ日の暮れる頃を現していた。
 ちょうど洗濯物が洗い終わる音が鳴って、すぐさま外に干して、マンションを後にしたのだった。